江戸川乱歩の本紹介

江戸川乱歩の本を紹介していきます。

ポプラ社 少年探偵江戸川乱歩全集について

 「少年探偵江戸川乱歩全集」を読んだことはありますか?

 少年探偵江戸川乱歩全集とは、ポプラ社から刊行された、子供向けのシリーズです。全部で46巻あり、1~26までは乱歩が元々子供向けに書いたもので、それ以降は大人向けに書かれた作品をリライトして本にしています。

 リライトに関しては、乱歩本人が行ったわけではありません。そのためか、現在はリライトされた27巻以降は絶版になっています。

 今回は、この「少年探偵江戸川乱歩全集」を紹介していきたいと思います。

 

【少年探偵江戸川乱歩全集とは】

 ポプラ社より刊行された、26+リライト版20巻で構成されたシリーズです。AセットとBセットに分かれています。

<Aセット>

怪人二十面相

妖怪博士

少年探偵団

青銅の魔人

大金塊

透明怪人

怪奇四十面相

地底の魔術王

電人M

宇宙怪人

奇面城の秘密

黄金豹

サーカスの怪人

夜光人間

塔上の奇術師

仮面の恐怖王

鉄人Q

魔法博士

灰色の巨人

魔人ゴング

海底の魔術師

空飛ぶ二十面相

悪魔人形

鉄塔王国の恐怖

 

<Bセット>

黄金の怪獣

二十面相の呪い

黄金仮面

呪いの指紋

魔術師

大暗室

赤い妖虫

地獄の仮面

黒い魔女

緑衣の鬼

地獄の道化師

影男

暗黒星

白い羽根の謎

死の十字路

恐怖の魔人王

一寸法師

蜘蛛男

幽鬼の塔

人間豹

時計塔の秘密

三角館の恐怖

 となっています。黄金仮面~三角館の恐怖はリライト版です。

 背表紙にはエンブレム(蜘蛛、西洋甲冑、黄金仮面)が描かれています。

 一番最初に出版されたのは、怪人二十面相~塔上の奇術師で、エンブレムは蜘蛛です。

 次に、仮面の恐怖王~恐怖の魔人王が追加され、エンブレムは西洋甲冑になりました。

 最後に、一寸法師~三角館の恐怖が追加され、エンブレムは黄金仮面になりました。

 なお、黄金仮面のエンブレムには2種類あり、前期(下部分が黄色)、後期(下部分が白色)となっています。

 黄金仮面、呪いの指紋、魔術師、大暗室、赤い妖虫、地獄の仮面、黒い魔女、緑衣の鬼

の8作品は、ポプラ社「名探偵シリーズ」という別のシリーズに収められています。

その表紙を、少年探偵江戸川乱歩全集で転用しています。

 名探偵シリーズに収録されていたこの8冊だけは、表紙の題名を囲む枠が長方形ではなく、角が装飾されています。(それ以外は、ただの長方形です。)

 ちなみに、蜘蛛男の表紙は、筋肉少女帯の「THE SHOW MUST GO ON」のジャケットに使用されています。

 

 リライトである27巻からの20冊は現在絶版となっていますが、リライトではない、乱歩が元々子供向けに書いた1~26巻までは、「ポプラ文庫クラシック 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ」で読むことができます。

 このシリーズは、少年探偵江戸川乱歩全集の装丁をそのままに、文庫で復刊させたシリーズです。本文も少年探偵江戸川乱歩全集と同じで、巻末に解説がついています。新品で手に入れたい方はぜひ、チェックしてみてください。

 「リライトバージョンも欲しい」「少年探偵江戸川乱歩全集が良い」という方は、古書店で収集してみてください。