鏡地獄とボルマトリクス
「鏡地獄」という話には、鏡や凹面鏡などのレンズが非常に好きな「彼」が繰り出す様々な魔術が描かれていますが、その一つに「魔法の紙幣」というからくり仕掛けがあります。気になって探したところ、似たような装置を見つけたので購入してみました。今回はその装置を紹介していこうと思います。
その装置というのは、「ボルマトリクス」と呼ばれるもので、凹面鏡の性質を利用して、実際にはその位置にないものをそこにあるかのように見せることができます。
この装置を実際に使ってみました。下の写真は1円玉を置いたときの光景です。
本当は、この1円玉はこの装置の底に置いてありますが、浮き上がっているように見えます。もちろん、手で触れることはできません。これをその場で見るとかなり不思議です。
この装置はAmazonで3Dミラースコープという名称で販売されています。興味がある方はぜひ、この装置を購入して、不思議を自分の目で確かめてみてください。
ポプラ社 名探偵シリーズについて
お久しぶりです。前回の投稿からだいぶ期間が空いてしまいました。
ブログを書いてない期間中、神田古書店街で名探偵シリーズを入手することができたので、今回はそれを紹介してみようと思います。
今回入手したのは、ポプラ社の「名探偵シリーズ」第一巻、黄金仮面です。以前のブログにも書きましたが、表紙の絵は「少年探偵江戸川乱歩全集」シリーズと同じです。違うのは、「少年探偵」という赤い文字が「<名探偵シリーズ>」という緑色の文字であることと、題名を囲む枠の色が黄色ではなく黄緑色であることです。また背表紙のエンブレムと裏表紙には少年の顔(小林少年?)が描かれています。
この名探偵シリーズは全部で15巻あり、そのうちの8巻が乱歩の話になっています。(その他は作者が違います)
このシリーズは少年探偵江戸川乱歩全集の基になったと言えるようなシリーズです。図書館や古書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
おすすめの出版社
明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。
さて、乱歩の作品を扱っている出版社は数多くありますが、皆さんはどのように決めていますか?
今回は、各出版社の特徴、おすすめの出版社について書いていこうと思います。
新潮社
新潮社は、乱歩の作品を初めて読む方におすすめです。
「江戸川乱歩傑作選」や「江戸川乱歩名作選」などの書籍が刊行されています。
東京創元社
東京創元社は乱歩の作品が好きな方やコレクターの方におすすめです。
初出時の挿絵を全て載せた「乱歩傑作選」が特におすすめです。
光文社
光文社の江戸川乱歩全集は収録数が多く、コレクションにぴったりです。
第4巻「孤島の鬼」に収録されている猟奇の果の「もう一つの結末」があるなど、マニアックな内容もあるので人気です。
ポプラ社
ポプラ社は子供向けの作品を扱っています。少年探偵江戸川乱歩全集を文庫として復刻した「ポプラ文庫クラシックシリーズ」や、現代版に表現や装丁を一新した「少年探偵・江戸川乱歩シリーズ」があります。
少年探偵江戸川乱歩全集シリーズやポプラ文庫クラシックシリーズについては下の記事で触れているのでそちらもご覧ください。
岩波書店
岩波文庫の「江戸川乱歩コレクション」は、短編や中編がまとめらています。それぞれにテーマがあり、そのテーマに沿った作品が収録されているのでおすすめです。
いかがでしたか?今回紹介した以外にも、たくさんの出版社が書籍を刊行しています。それぞれに特徴や良い点があるので、色々な出版社の書籍を読み、お気に入りの出版社を見つけてください!
乱歩の作品をもっと知りたいという方は、下の記事もチェックしてみてください。
江戸川乱歩 - 赤いカブトムシ
乱歩の作品には子供向けに書かれたものがたくさんあります。
その中でも、「赤いカブトムシ」という作品を知っている方は少ないのではないでしょうか。
赤いカブトムシは、雑誌「たのしい三年生」の1957年4月号~58年3月号で発表された作品です。小学3年生向けに執筆されたので、本文はほとんどひらがなになっています。
ーーー ここから先はネタバレを含みます ーーー
この作品には、「探偵少年」という作品(黄金の虎という題名もあります)に出てくる魔法博士が再び少年探偵団に勝負を持ちかけています。この魔法博士は「雲井良太という、お金持ちの変わりもの」です。「探偵少年」では少年探偵団が勝利しました。その時は、純金でできた、目にダイヤがいれてある黄金の虎が使用されましたが、この「赤いカブトムシ」では、ルビーでできた、両目がダイヤモンドのカブトムシが知恵くらべの賞になっています。
この作品は青空文庫で読めるようになっています。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
魔法博士が出てくる「探偵少年」も併せて読むと、この作品をより楽しめるのではないでしょうか。こちらもぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。乱歩の作品をもっと知りたいという方は、下の記事もチェックしてみてください。
ポプラ社 少年探偵江戸川乱歩全集について
「少年探偵江戸川乱歩全集」を読んだことはありますか?
少年探偵江戸川乱歩全集とは、ポプラ社から刊行された、子供向けのシリーズです。全部で46巻あり、1~26までは乱歩が元々子供向けに書いたもので、それ以降は大人向けに書かれた作品をリライトして本にしています。
リライトに関しては、乱歩本人が行ったわけではありません。そのためか、現在はリライトされた27巻以降は絶版になっています。
今回は、この「少年探偵江戸川乱歩全集」を紹介していきたいと思います。
【少年探偵江戸川乱歩全集とは】
ポプラ社より刊行された、26+リライト版20巻で構成されたシリーズです。AセットとBセットに分かれています。
<Aセット>
妖怪博士
少年探偵団
青銅の魔人
大金塊
透明怪人
怪奇四十面相
地底の魔術王
電人M
宇宙怪人
奇面城の秘密
黄金豹
サーカスの怪人
夜光人間
塔上の奇術師
仮面の恐怖王
鉄人Q
魔法博士
灰色の巨人
魔人ゴング
海底の魔術師
空飛ぶ二十面相
悪魔人形
鉄塔王国の恐怖
<Bセット>
黄金の怪獣
二十面相の呪い
黄金仮面
呪いの指紋
魔術師
大暗室
赤い妖虫
地獄の仮面
黒い魔女
緑衣の鬼
地獄の道化師
影男
暗黒星
白い羽根の謎
死の十字路
恐怖の魔人王
蜘蛛男
幽鬼の塔
人間豹
時計塔の秘密
三角館の恐怖
となっています。黄金仮面~三角館の恐怖はリライト版です。
背表紙にはエンブレム(蜘蛛、西洋甲冑、黄金仮面)が描かれています。
一番最初に出版されたのは、怪人二十面相~塔上の奇術師で、エンブレムは蜘蛛です。
次に、仮面の恐怖王~恐怖の魔人王が追加され、エンブレムは西洋甲冑になりました。
最後に、一寸法師~三角館の恐怖が追加され、エンブレムは黄金仮面になりました。
なお、黄金仮面のエンブレムには2種類あり、前期(下部分が黄色)、後期(下部分が白色)となっています。
黄金仮面、呪いの指紋、魔術師、大暗室、赤い妖虫、地獄の仮面、黒い魔女、緑衣の鬼
の8作品は、ポプラ社「名探偵シリーズ」という別のシリーズに収められています。
その表紙を、少年探偵江戸川乱歩全集で転用しています。
名探偵シリーズに収録されていたこの8冊だけは、表紙の題名を囲む枠が長方形ではなく、角が装飾されています。(それ以外は、ただの長方形です。)
ちなみに、蜘蛛男の表紙は、筋肉少女帯の「THE SHOW MUST GO ON」のジャケットに使用されています。
リライトである27巻からの20冊は現在絶版となっていますが、リライトではない、乱歩が元々子供向けに書いた1~26巻までは、「ポプラ文庫クラシック 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ」で読むことができます。
このシリーズは、少年探偵江戸川乱歩全集の装丁をそのままに、文庫で復刊させたシリーズです。本文も少年探偵江戸川乱歩全集と同じで、巻末に解説がついています。新品で手に入れたい方はぜひ、チェックしてみてください。